2021年版は、食や遊び、文化に加え、コミュニティーの精神、回復力、持続可能性を評価
タイムアウト東京は、世界328都市58ヶ国に展開するタイムアウトが毎年実施しているグローバル・サーベイ『Time Out Index』の2021年版から、『2021年、世界で最もクールな49の街』の日本語版を公開しました。1位となったのは、コペンハーゲンのノアブロで、古い建物とモダンな建物が融合した街並みや、道路を活用したアートイベントなどが、高い評価を受けています。
2021年、世界で最もクールな49の街
https://www.timeout.jp/tokyo/ja/things-to-do/coolest-neighbourhoods-in-the-world
世界328都市58ヶ国13言語で展開するタイムアウトは、そのグローバルネットワークを活用したしたグローバル・サーベイ『Time Out Index』を毎年実施しています。本調査では世界の27,000人の都市生活者に、「食」「遊び」「文化」「コミュニティ」に関する投票を実施。その結果を専門家たちがランキングにしました。
今年はフード、ドリンク、ナイトライフ、カルチャーの分野を重要視していますが、このパンデミックから抜け出した後、世界に誇れる街となるには、コミュニティの精神、回復力、持続可能性を欠くことはできません。
今回のランキンングでは、東京から代官山が35位に選出されました。少し気取った街だと思われがちな代官山ですが、緑豊かなエリアであることや、フレンドリーな店やリラックスした雰囲気の店が多い点などが評価されました。そして何より、この地区が東京の良いところを集めた場所であるということが最も重要なポイントです。
2021年、世界で最もクールな49の街ランキングから、トップ5を紹介
1. ノアブロ(コペンハーゲン、デンマーク)
ノアブロには「クール」がある。その定義はさまざまだと思うが、コペンハーゲンの湖側の北に位置するこの地区はクールなのだ。ここでは歴史的建造物や超モダンな建築物、そしてコペンハーゲンをグルメスポットとして有名にしている飲食店が見事に融合し、存在している。厳しい時期にもかかわらず、今年は新しいベーカリーやレストラン、自然派のワインバーが続々と登場。言うまでもなく、どの店も地元の旬の食材にこわだっている(きっと、その多くはフォレイジング[1] で手に入れたものだろう)。
今年は、地域社会の取り組みも盛んになった。「車のない日曜日」が復活し、アブロゲーテ通りは音楽ライブやフリーマーケットの会場として利用されている。『Usynlige Stier(「見えない道」の意)』と呼ばれる新しいインタラクティブなアート展は、この地区でも最も危ないとされている場所に楽しさと彩りをもたらした。
最高の一日の過ごし方:Rondoでコーヒー、そして街一番のクロワッサンをテイクアウトしたら、まるで魔法がかかったような場所であるAssistens Kirkegårdへ行き、屋外で味わおう。ここはハンス・クリスチャン・アンデルセンが眠る場所だ。その後は、Jægersborggadeへ。この通りの周辺には、サステイナブルな家庭用品、中古ファッション、北欧のスキンケア製品、職人が作るさまざまなプロダクトを売る店が立ち並んでいる。そして、ディナーはSilberbauers Bistroで食べ、The Barking Dogで寝る前の一杯を飲めば完璧だろう。
旅の計画:2022年6月1日(水)から5日(日)まで、『Distortion』が開催。ノアブロ地区全体が、カオティックで輝きを放つパーティー会場になるビッグイベントだ。
2. アンダーソンビル(シカゴ、アメリカ)
スウェーデンからの移民が多く暮らしたアンダーソンビルは、今ではLGBTQ+のナイトシーンや、クラーク・ストリート沿いに並ぶバーやレストランでよく知られている。この1年でアンダーソンビルは大きく立ち直り、Nobody’s Darling、the Bird Cageなどの新しいバー、Parson’s Chicken & Fishといったレストランがオープン。『Taste of Andersonville』のような素晴らしいイベントを通し、地元で長年愛されている飲食店にもスポットライトが当てられた。
この地区は以前から住みやすかったが、湖のビーチや湖畔の公園に近いことで、パンデミック時にはさらに多くの注目を集めた。環境に優しいゴミの堆肥化をシカゴ全体に普及させるためのモデルとなるパイロットプログラム『Clark Street Composts』を開始するなど、将来を見据えた取り組みを行っているのも魅力的だ。
最高の一日の過ごし方:まず、北欧風のベーカリーLost Larsonのコーヒーとペストリーを味わい、Woolly Mammothのビンテージ小物やWomen & Children Firstのフェミニスト文学をチェック。次に、絵のように美しいフォスタービーチを散策して、Hopleafでテーブルをゲットしてムール貝とベルギービールを楽しもう。一日の終わりには、Bird Cageでのドラァグショー、Neo-Futurists劇場でInfinite Wrenchのシュールなパフォーマンスを見るのがおすすめだ。
旅の計画:毎年、この地区ではスウェーデン文化、地元企業、LGBTQ+カルチャーの祭典『Andersonville Midsommarfest』が開催されている。2022年の日程は、6月10日(金)から12日(日)までの予定。
3. 鍾路3街(ソウル、韓国)
歴史があり、風変わりで、気取らないソウルの中心地、鍾路3街(チョンノサムガ)へようこそ。この地区の周辺にある宮殿やギャラリーなどの観光スポットはよく知られているかもしれないが、鍾路3街の「本当の魅力」も見逃すべきではない。おじいさんたちが碁版を囲んでいるタプコル公園、ソンヘギルで伝統的なダルゴナを売っている屋台、品ぞろえ豊富なジュエリーショップ、北朝鮮料理を提供するレストラン、そして隠れ家的なカフェやビアハウスの数々に立ち寄ってみよう。
鍾路3街には、ソウルの伝統的なLGBTQ+エリアもある。この辺りは、この[1] 1年で市内のほか場所よりも多くの苦痛を経験した(新型コロナの感染拡大初期にソウルのゲイコミュニティーがひどい汚名を着せられたことを覚えているかもしれない)。しかし、今は素晴らしいことに、再び活気が戻っている。
最高の一日の過ごし方:スタート地点は広蔵市場。緑豆チヂミやのり巻きなどのごちそうを堪能しよう。宗廟(そうびょう)の石垣の横を通るソンヘギルの穏やかな道を散策し、Café Sasaのよもぎラテでコーヒーブレイク。夕食は鍾路3街のバーベキューストリートでとり、再び腹が空いたらポジャンマチャ(屋台)で焼酎を飲みながら、イカの炒め物などの韓国の軽食を食べるのがいいだろう。
旅の計画:2022年3月、宗廟と昌慶宮の間に緑豊かな歩行者専用道路ができる。この整備によって、交通量の多い道路によって90年間も隔てられていたソウルの2つの名所がようやく結ばれるのだ。
4. リース(エジンバラ、スコットランド)
エディンバラ北部にあり、かつてスコットランドの主要な貿易港であったリースは、何世紀にもわたって工業と密接な関係を築いてきた。しかし今日では、文化的なホットスポットとしてよく知られており、大規模なアート施設や新進気鋭のビジネスに取り組む会社が集結。長い間放置されていたLeith Theatreや、30以上のクリエーティブな企業が入り、パフォーマンススペースも持つBiscuit Factoryなど、ここ数年で古い建物の再生もいくつか進んでいる。
再生といえば、かつてあったカレドニアン鉄道リース新線の高架跡にできたThe Leith Archesも話題。ここは、2フロアあるパブ兼イベントスペースで、入れ替わりでフード出店があるほか、ウェルネスプログラムも開催。そしていつもおいしいBross Bagelsの常設店もある。
最高の一日の過ごし方:おいしいもの好きであれば、居心地の良いLittle Chartroomやサンドイッチの名店、Alby’sに立ち寄ってみるといいだろう。財布に余裕があれば、ミシュランの星付きレストランのThe Kitchin、Restaurant Martin Wishartもおすすめ。最後はハーバーサイドを散策し、リース川を見下ろすTeuchters Landingや、昔からの人気店The Lioness of Leithなど、にぎやかなバーやパブで締めよう。
旅の計画:リースのローカルアイデンティティーに触れられるイベントが、毎年6月の『Leith Festival』と8月の『Edinburgh Mela』。しかし、リースで不動の人気を誇る週1回開催のストリートフードマーケット、The Pittでも、その2つのイベントの雰囲気を少しだけ味わうことができる。
5. 駅地区(ビリニュス、リトアニア)
自称「アーティスト共和国」のビリニュスが高級化している今、市のクリエーティブスピリットは、駅地区にある。この場所では壁画、巨大なトニー・ソプラノ、新古典主義の建物に埋め込まれた彫刻(ベルリンのベルハインのようなドアポリシーを持つ騒々しいナイトクラブ、Kablysにある)など、ビリニュスで最も優れたストリートアートを見ることができる。またソビエト時代の工場をリノベーションしたコミュニティー志向の広大な施設、Loftas Art Factoryがあるのもこの地区だ。この施設では、ライブやファッションショー、上映会などを開催している。
駅地区にはさらにカフェ(季節の素材を使ったカクテルが楽しめるLove Bar)やグルジア料理(Chačapuri)、ウズベク料理(Halės Plovas)、そしてビリニュスのベスト寿司屋(Narushi)など、変に気取らないおいしい外国料理を提供するレストランがある。
しかしこの地区で今見られるしゃれたブルータリズムのユニークな融合は永遠に続くものではない。つい最近、駅の改築コンペが行われ、ザハ・ハディド・アーキテクツが優勝。そのデザインは確かに目を見張るように素晴らしいといえる。
最高の一日の過ごし方:まずはビリニュスのベストベーカリー、Druska Miltai Vanduoでゆったりとしたブランチを。その後、壁画や陶芸工房など通りながらHalės Marketへ行き、Rootsで地元料理を味わおう。夜は駅のホームにあるPeronasで一杯飲んで、Loftasでライブを楽しむといい。
旅の計画:毎年9月、3日間にわたってリトアニア最大の都市型音楽フェスティバル『Loftas Fest』が開催。主催はLoftas Art Factoryで、9つのステージでは地元の優秀なバンドやDJが出演する。
【調査概要】
調査期間:2021年3月12日~2021年4月2日
調査対象者:27,000人 18歳〜75歳 (25歳-34歳の回答者が多数)
調査対象都市:27都市
パリ/ ロンドン / テルアビブ / リスボン / メルボルン / ニューヨーク / シカゴ / 香港 / バルセロナ / マドリッド / 東京 / ロサンゼルス / シドニー / シンガポール / イスタンブール / ポルト / バンコク / モスクワ / サンクト・ペテルブルグ /ドバイ / 上海 / メキシコシティ / モントリオール / 北京 / ボストン / チューリッヒ / アブダビ
質問数:56問
調査方法:インターネット調査