「世界で最もクールな街 2026」を公開。大阪・北加賀屋が6位、東京・高円寺が8位に選出
タイムアウト東京を運営するORIGINAL Inc. は、1968年にロンドンで創刊され、現在は世界350都市以上に展開するシティガイド「タイムアウト」が毎年発表しているグローバルランキング「世界で最もクールな街(The World’s Coolest Neighbourhoods)」の2026年版を公開しました。
各都市のローカルエディターと専門家の推薦をもとに、タイムアウトの編集者によるパネルが順位を決定したもので、今年は26カ国・地域の40エリアがランクインしました。日本からは大阪・北加賀屋が6位、東京・高円寺が8位に選ばれています。1位は韓国・ソウルのチョンノサムガ(鍾路3街)です。
2026年版のトップ10
- 1位 チョンノサムガ(鍾路3街)/韓国・ソウル
- 2位 ロセアン(L’Ocean)/モロッコ・ラバト
- 3位 ネオス・コスモス/ギリシャ・アテネ
- 4位 チャイナタウン/アメリカ・ロサンゼルス
- 5位 ゴヴァンヒル/イギリス・グラスゴー
- 6位 北加賀屋/日本・大阪
- 7位 チャピネロ・アルト/コロンビア・ボゴタ
- 8位 高円寺/日本・東京
- 9位 ダウンタウン/カナダ・セントキャサリンズ
- 10位 エスクイリーノ/イタリア・ローマ
大阪・北加賀屋(6位) 造船の街からアートの街へ
日本で最も上位にランクインしたのは、大阪・北加賀屋です。20世紀初頭から1970年代まで造船の拠点として栄えた木津川河口のこのエリアは、この十年ほどでクリエーティブな街へと姿を変えました。
かつての工場や倉庫、空きビルの多くがアートスペースやアーティストのスタジオとして再生され、壁面を彩るミューラルアートや彫刻、ステンシルグラフィティー、イラスト入りのマンホールが街の景観を形づくっています。
東京・高円寺(8位) 再開発に抗い、個性を守り続ける街
東京からランクインしたのは高円寺です。新宿から数駅西に位置するこの街は、かつてのパンクシーンの中心地として知られ、地域住民が長年にわたり再開発や均質化に反対する声を上げてきたエリアです。評価項目のなかでも「ユニークさ」と「コミュニティー」で際立った評価を得ました。
迷路のように入り組んだ商店街には、古着店やレコードショップ、小さなバー、ベーカリーなど、個性豊かで常に変化する店が並びます。タイムアウト東京の記事では、受賞歴のあるベーカリー「しげくに屋55ベーカリー」、コーヒーショップ「Walnuts Coffee」、日本で唯一気象の神々を祭る「気象神社」、古着店「HIGAN」、アジア各地の雑貨を扱う「未完成」、天ぷらの「天すけ」、銭湯「小杉湯」、レコードを楽しめるカフェ「SUB store Tokyo」、ライブハウス「東高円寺二万電圧」、「高円寺メタルめし」などを紹介しています。
選出の基準 「クール」を決めるのは、そこに暮らす人の目線
今年で9年目を迎えたこのランキングは、タイムアウトの世界各地のローカルエディターと専門家が、自分が暮らし働く街を歩いて得た知見をもとに候補を推薦し、タイムアウトの編集者によるパネルが、飲食、ナイトライフ、文化、ユニークな地元ビジネス、住みやすさ、コミュニティーの結束といった要素に照らして評価したうえで、最終的な順位を決定しています。観光名所的な知名度ではなく、いま現地で何が起きているかを軸に評価する点が特徴です。
なお、2025年版では東京・神保町が世界1位に選出されており、日本のエリアが2年続けて上位に入ったことになります。
10年目を迎えたタイムアウトの都市評価 英国の出版業界アワードで年間最優秀データ企画を受賞
タイムアウトは、世界各都市の住民への大規模調査と各都市の編集者・専門家の評価を組み合わせた都市ランキング「Best Cities」を10年にわたって続けており、世界のベストシティ、食、カルチャー、ナイトライフなど複数のランキングを毎年発表しています。
2026年6月には、この取り組みが英国の出版業界団体PPA(Professional Publishers Association)のアワードで「Data Initiative of the Year(年間最優秀データ企画)」を受賞しました。260件を超える応募のなかから選ばれたもので、審査員は「複雑な読者インサイトを、リーチとエンゲージメント、明確なブランドインパクトを伴う編集戦略へと転換した野心的な取り組み」と評価しています。
タイムアウトのトラベルエディターであるグレース・ビアードは、受賞に際して「タイムアウトのBest Citiesが際立っているのは、地元の人々が自分の街の何を愛しているかを起点に、都市生活の日常をたたえている点にある」と述べています。
「世界で最もクールな街」は、この都市調査から派生して2018年に始まったランキングです。世界数百都市の生活者に「自分の街で最もクールなエリア、過小評価されているエリア、文化的に最も刺激的なエリア」を尋ねた調査の回答に、各都市のローカルエディターと専門家の知見を掛け合わせる形で積み上げられてきました。街の評価を、観光名所の知名度でも開発の規模でもなく、そこに暮らす人の実感から立ち上げる——タイムアウトが世界350都市以上のネットワークで続けてきたこの手法が、業界からも評価を受けています。
代表コメント
ORIGINAL Inc. 代表取締役でタイムアウト東京代表の伏谷博之は、次のようにコメントしています。
「昨年は、神保町が1位に選ばれ、話題となった『世界で最もクールな街』ランキングですが、今年は日本から2つの街が上位に入りました。この調査は、タイムアウトのローカルエディターと専門家が、世界中の街を同じ基準で評価している点にユニークさがあります。大規模開発で生まれた街よりも、人の営みを感じられる街が選ばれています。世界がいま都市や街をどう評価しているのかを知ることは、まちづくりを考える上でも、インバウンドを生活空間である街にどう迎えるのかを考える上でも、ますます重要になっていくのではないでしょうか」
調査概要
- 調査名 世界で最もクールな街(The World’s Coolest Neighbourhoods 2026)
- 発表日 2026年9月15日(現地)/日本語版記事の公開は2026年9月16日
- 選出数 40エリア(26カ国・地域)
- 実施回数 今年で9年目
- 選出方法 タイムアウトの世界各都市のローカルエディター・専門家が、自分が暮らし働く街の知見をもとに候補を推薦。タイムアウトの編集者によるパネルが評価し、最終順位を決定
- 評価基準 飲食、ナイトライフ、文化、ユニークな地元ビジネス、住みやすさ、コミュニティーの結束(公式発表では「これらを含む複数の要素」と表記)
